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12/6/13
書籍「社労士が見つけた!(本当は怖い)採用・労働契約の失敗事例55」6/13発売しました。
12/3/28
書籍「社労士が見つけた(本当は怖い)解雇・退職・休職実務の失敗事例55」3/28発売しました。
11/12/21
書籍「税理士が見つけた!(本当は怖い)事業承継の失敗事例33」12/21発売しました。
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書籍「公認会計士が見つけた!(本当は怖い)グループ法人税務の失敗事例55」発売しました。

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西洋古典語典

西洋古典語典

西洋古典語典

著者
渡辺紳一郎
発行
昭和31年(1956年)
装幀・挿絵
横山泰三
著者
プロフィール
明治33年3月16日生まれ。杉靖三郎の兄。大正13年東京朝日新聞社に入社。パリ支局長,ストックホルム支局長を歴任。戦後は海外の豊富な経験をかわれ,NHKのクイズ番組「話の泉」や「私の秘密」のレギュラー解答者として活躍,口ひげと博学で人気をあつめた。昭和53年12月22日死去。78歳。東京出身。

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火中の栗を拾う

 火中の栗を拾う
 Tirer les marrons du feu.(F)
 チレ・レ・マロン・デュ・フー
 フランスの詩人ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ Jean de La Fontaine の「寓話詩」(レ・ファーブル) Les Fables の中の「べルトランとラトン」 Bertrand et Raton にある話。
 ひとりが火の中にある焼けている栗を取り出す、彼は手を焼いて、栗を投げ出す、ほかの男
 「火中の栗を拾う」とは、自分は危いことをやり、他人にその冒険の獲物をせしめられることである。
 「他人のために、あえて火中の栗を拾うようた愚なことは、よしたほうがいいだろう」なとと使う。
 人民の、人民による、人民のための政治
 Goverment of the people, by the people, for the people.(E)
 アメリカ第十六代大統領エブラハム・リンカン(1809-65)が、南北戦争 War of secession(1860-65)に、ペンシルヴェニヤ Pennsylvania 州のゲッティスバーグ Gettysbergで、一八六三年十一月十九日に、行つた演説の文句であつて、民主主義(デモクラシー)についての説明として名高い。
 of,by,forの三つの前置詞を巧みに使い分けている。
 Lincolnは、明治時代には日本ではリンコルンといつていたが、近頃ではリンカーンと書く人もある。フォネティック・サインでは ligken 林君(リンクン)という発音に近い。
 もつと長い文句の結びの言葉である。
 ……that government of the people,by the people,for the people, shall not perish from the earth.
 「……人民の、人民による、人民のための政治は、地球から無くなることはない」と、いつた。
 孫文(逸仙)の三民主義というのも、このリンカンのオブ、バイ、フォアの焼直しとはいわないが、それを参考にしているようである。三民とは、民族、民権、民生であるが、「民族」と「人民の」、「民権」と「人民による」、「民生」と「人民のための」と比べると、よく似ている。
 アメリカは、一九四二年、「中国抗戦十五年」切手を発行した。「抗戦」というのは、日本に対抗してのことである。この切手は横長い大型のもので、リンカンの肖像のところに、 "of the people, by the people, for the people "とあり、孫文の肖像のところに「民族、民権、民主」という漢字が書いてある。