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12/6/13
書籍「社労士が見つけた!(本当は怖い)採用・労働契約の失敗事例55」6/13発売しました。
12/3/28
書籍「社労士が見つけた(本当は怖い)解雇・退職・休職実務の失敗事例55」3/28発売しました。
11/12/21
書籍「税理士が見つけた!(本当は怖い)事業承継の失敗事例33」12/21発売しました。
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書籍「税理士が見つけた!(本当は怖い)飲食業経理の失敗事例55」11/2発売しました。
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書籍「公認会計士が見つけた!(本当は怖い)グループ法人税務の失敗事例55」発売しました。

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西洋古典語典

西洋古典語典

西洋古典語典

著者
渡辺紳一郎
発行
昭和31年(1956年)
装幀・挿絵
横山泰三
著者
プロフィール
明治33年3月16日生まれ。杉靖三郎の兄。大正13年東京朝日新聞社に入社。パリ支局長,ストックホルム支局長を歴任。戦後は海外の豊富な経験をかわれ,NHKのクイズ番組「話の泉」や「私の秘密」のレギュラー解答者として活躍,口ひげと博学で人気をあつめた。昭和53年12月22日死去。78歳。東京出身。

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迷宮

 迷宮
 殺人事件で、どうしても犯人を探せない時、新聞は必ず「事件は、ついに迷宮にはいつた」と書く。「迷宮」は英語の labyrinth ラビリンスの翻訳。語原はギリシャ語で laburinthos ラビュリントス。これは中がいりくんでいて、一旦その中へ入ると、ぐるぐる廻り廻つてどこを通つているか判らず、どうしても出ることのできないような複雑な建物である。
 日本でいえば、八幡(やはた)の藪である。
 宝物を隠したり、墓を荒されたりしないようにラビリンスというものは昔は方々で作られたがその中で最も名高いのは、ギリシャのクレタ Creta (英語のクリート)島の「迷宮」てある。
 ギリシャ神話に出てくる。クレタの女王が生んだ怪物で、人間の身体に牛の頭というミノタウロス Minotauros というのがあり、これがラビュリントスの中に住んでいる。ミノタウロスの奸物は人間の子供の肉である、そのころアテネはクレタの属国並みで、毎年七人の少年と七人の少女とをクレタに貢物として送つていた。ミノタウロスに食わせるためである。
 アテネの王子テーセウス Theseus はギリシャの桃太郎、鬼退治のため自ら願つて、十四人の少年少女の中に加わつてクレタ島へ迷られた。少年英雄だから化物くらい殺してしまうのは雑作たいこと。ただし一旦迷宮に入つたら、出るのが大変であるが、はいる前に、クレタの王女アリアドネー Ariadne が少年英雄に好意をよせ、彼に剣と糸の玉を与えておいた。迷宮の人口に糸を結び付け、毬を持つたまま中へ進み、糸をたぐつて元来た道を引返すことができた。
 迷宮りの事件を解決する一筋の望みである道しるべを「アリアドネーの糸玉」 Clew of Ariadna という。